4)食漫画

漫画の話。

思い返すと、庖丁人味平っていうのが、最初に読んだ食べ物漫画だったかもしれない。あとは忍者武芸帳の中で、うさぎを丸焼きにしてかぶりつくシーンとか、天才バカボンでバカボンパパがおでんのタコを美味しそうに頬張るシーンであるとか...。食に関するグルメなテーマを持った漫画というのはあまりなかったように思うけれど、味平なんかは今読んでみるとなかなかに奥が深い。キャベツの切り方とか誰が食べてもうまいカレーだとか。大人になってからは、美味しんぼとかクッキングパパとかレモンハートだろうか。私も所謂漫画世代なので、結構好きで読んでしまうのだった。

美味しんぼなんかはもう15年以上も前に始まり、今も続いている。確か、引越しの時に姉貴がもっていたのをそのままもらったんだったかなぁ。最初は変わった漫画だなぁと思っていたが、今でこそ我が家にはずらりと並んでいて、嫁さんも子供が寝た後にゴロゴロしながら読んだりしているし、我が家の共通の話題といえばこの漫画のネタだったりもする。特に最初の頃の話はなかなかに面白い。

いろいろ是非はあると思うが、この漫画に登場してくる話は、単なるグルメ食欲を湧き上がらせるというよりは、個人の食事に対するあり方や飲食店、食材流通について注意を喚起させるものが多い。最初はたかが漫画だと思っていたし、大げさに書いているんだろうと思っていたところもあったのだが、いざ自分が食事のことに直面すると、結構的を得たことが書かれている。そうして今度は美味しんぼだけでなく、食に関する本などもみるようになると、いわゆる娯楽としてのグルメと、それだけではない、グルメとは別の食に対するこだわりや考え方を感じるようになった。これは、最近で言うところの食育というものに近いかもしれない。

( 2005/12/25 )