浅香屋(足立区、西新井大師)

 煎餅です。おそらく、自分の中で一番の煎餅です。

 足立区、西新井大師のすぐそばにあります。西新井大師はお正月の初詣などスゴイ人手になります。それ故このお大師様正門前の道沿いには、観光地宜しく土産物屋や団子屋、飯屋などひしめいており、その中に浅香屋もあります。この界隈は他にもせんべい屋はたくさんありますが、なかでも威風堂々(旧態依然)としてあるのが、この店です。店の中ではもくもくとせんべいを作る人達。その風景は、昭和初期を思わせる風情で、「おれぁ毎日毎日せんべい焼いてんだ」っちゅうオーラがぷんぷんです。

 ここでのオススメは「馬目焼き」という超弩級堅焼きせんべい。これはナント1枚200円もするのですが、これを一度食べると、他のせんべいが物足りなります。ガッシリ分厚くて堅くて味が深くて旨いのです。厚さ、堅さ、せんべい本体と醤油の味のバランスが素晴らしい。バリンと割ってみると、割れた面は、細かくキラキラと光り、花崗岩の中にちりばめられた石英のように、ある意味美しいほどです。せんべいの種類は他にもたくさんあって、僕は胡麻の入ったヤツなんかも好きです。馬目焼きではなくて、普通の堅焼きが旨いという人もいますが、僕はやはりこの馬目焼きをススメます。なんといっても、ここでしか食べられない味だと思います。

古くから残っているお店の中では、もくもくと煎餅を焼いてます。

煎餅の密度が濃いのです。堅くてうまい!のです。

( 2006/02/18 )