平塚徳明
イラストレーター。
中学生の頃、美術の先生は「平塚君は本当にうまい」と言っていた。私も絵を描くのは好きだったが、漫画の模写というレベルの低いものであった。彼はすでに自分のスタイルで書いていた。学校では、絵を描くのが好きなのが3〜4人集まって、休み時間に絵を見せ合ったりくだらない漫画を書いたりしていた。 その当時、月曜発行の週刊少年ジャンプを日曜日にこっそり売ってくれる店があった。毎週自転車でそこへ行くのだが、その途中に彼の家があった。当然、ジャンプを持ってそこへいく。昼過ぎのまったりとした時間が漫画とともに過ぎていく。彼は、特に用事が無い限り部屋に入れてくれた。そんなわけで特に目的もなく彼の部屋でゴロゴロしていることはよくあったように思う。 今となっては記憶がかなり曖昧なのだが、そんな風に過ごした彼の部屋での記憶として、坂本龍一やKYLYNを聴かせてくれたこと、彼の部屋にギターやYAMAHAのヘッドフォンアンプがあったことなどを憶えている。高校に入ってしばらくすると、私は引っ越してしまったので、部屋にはあまり行けなくなった。 彼はあの頃から、ギタリストの絵を描いていたように思う。 彼の影響があって、音楽を聴いたり、楽器が身近になっていった。彼とはカシオペアのMINT JAMSの公開録音がタダだっていうんで、前日から並んで1番と2番で見に行ったっけ。 彼もまた会社勤めだったが、ある時期奮起して今はフリーでイラストを描いている。 (c) Noriaki Hiratsuka
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