makito's voice

2005年02月08日
LIVINA

  • 秋葉原のLIVINAに寄った。実にひさしぶりだ。六本木AXISとかLIVINAは好きな場所のひとつだ。デザインものが置いてあって、眺めているだけでも楽しい。デザインものっていうのは、製品の裏側にある定義付けが自分の頭を刺激してくれる。普段の自分の居住スペースや仕事場、ひいては街の建築などアーキテクトについての発想や、生活スタイルや仕事の仕方なんてものの見方も膨らんでくる。もう10年以上前になるんだろうけど、以前はLIVINAの中にお茶呑んだり軽い食事がとれるスペースがあった。店の中央にはヤコブセンの大きなテーブルがあって、その周りに15人分くらい椅子があった。平日などはあまり混んでいなかったので、コーヒーを頼んでテーブルの中央に座り、そこに手帳を広げて、仕事や自分の生活のことなどいろんなプランに思いを巡らせるのが楽しかった。
  • もちろん、そういうちょっと洒落たスペースというのは、もっと開けた場所に行けばたくさんあるし、NYなんかのカフェや実験的なスペースはもっと斬新だったりするわけだけれど、秋葉原という場所にあったのが自分にしっくり来ていたのだろうなと思う。以前はこういう場所に来ると、こんな家具がいいなとか、こんなスペースが家にあったらなぁとか、そうしたコンセプトや発想から、実生活上のヒントを得たりしていた。しかし、どうもこのところ不感症になっている。まぁ、いい加減所帯持って子供もいる状態でそんなこと言ってるのもなぁ、なんて思っていたりしたし、なにより淘人の存在が一番だったりするのだが、どうやらこの不感症状態はある意味無気力状態なのかもしれないとすら感じていたのだ。
  • で、行ってみるとひとつの考えがフワフワと沸き上がってきた。確かに、かっちょいいリビングもかっちょいいキッチンもよいのだが、自分が根を下ろす場所をほしがっているという感じ。あぁたぶん俺は家が欲しいのだ。もしくは、そうした納得できる場所が。そこが解決しないからその上に載せるものの欲求が滞っているのだな。あぁ、しかしてそれは大きな問題だ。AppleStoreでポチリというような話ではないだろう。あぁしかし、ついにそこに来ているのだな。言ってみれば京都の寺のような、静かで凛としていて友を呼び飯を食い酒を呑み、四季を感じながら己の道を進んでいくための場所が...。歩いて10分くらいで駅があり、商店街は立石のような賑わいで、道すがら豆腐屋とか乾物屋があり、前は海で後ろは山で右横は秋葉原で左横は東急ハンズ...。田舎であり都会でもあり、川は綺麗で山は豊かでネットは引けて...。そんな場所あるかいな(笑)