makito's voice |
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刺身。画像は5D。唐揚げこの人達と会話をすると自分の中でなにかが矯正される。鷹峯に到着たんぽぽラーメン。少し味変わったかな...。焼き飯うめー。松野醤油裏道を歩く。ここなんだか好き。昔は足立区にもこんな畑がたくさんあったなぁ。こうしてキャベツを見るのが久しぶりであることに気がつく。農家でわけてもらったトマトととうがらし。ここから吉田山へ登る。数分でほどなく休憩場。大文字山がよく見える。望遠とか試してみる。茂庵。おしゃれなお店です。百万遍のとあるお店。ここからも大文字山が!今日はずっと見守っていただいているような...。いろいろ美味かったが、綺麗に取れている一枚。水茄子うめー。待望の銭湯に入ってスッキリ!河原町へ移動。黒川は定休日。オヤジさんおカァさん元気かなぁ。鴨川。次に来れるのはいつかな...。 16分のアクセント移動やキックとスネアのコンビネーションなどをやりながら、左足のヒール&トゥの動きを加えるのが難しいという学生がいた。実際これはじっくり取り組まないと難しく、練習するべき音型の組み合わせも多いので、それをいきなり習得しようとすると大変なものではある。要領の良い子はわりとあっさりできてしまったり、普段ガンガン叩いてるやつでも、すごく苦手な組み合わせに手こずるなんてことは実によくある。 「じゃぁやめちゃえばいいじゃん!左足使わないとか!」 と言ってみた。すると 「ええっ!やめちゃったらダメじゃないですか!」と笑いながら言う。 「そもそもクラシックとかの楽器の演奏技法とかレベルからすれば、ジャズやロックになって、使われない表現とか削ぎ落とされていったものもあるだろう。海外留学してヨーロッパのオーケストラに、なんていうものから、Tシャツとジーンズでコード3つでもやれちゃうのがロックって面もあったろうし、民衆が音楽を手に入れたわけだよ!」
「いや、それはそれでスネアの上手い下手もあるじゃないですか」 「そりゃそうだ!じゃぁただバックビートだけ叩くってのはどうだ?フィルも無し!叩いたらダメ!あぁでもそれでもタイムキープの問題とか音色の良し悪しもあるな...」 「なんか寂しいですよ。」 「セットが叩けないからスネアだけっていう消極的な発想はダメだが、あんまりいろいろやらない人もいるじゃん。えっ?それでいいんだ!?シンプルだけどすげーチカラあるね、っていう人もいるじゃん。ま、もちろんその実力ってのは別の話になるけど。」 「スネアだけっすか...」 「楽器はさ、うまくならないとか買えないとか、そういうコンプレックスもあるよな。そういう感情の不便から開放されるためには、もはや楽器も使ってはいけないのではないのか!」 「じゃぁどうすんすか。パフォーマンスすか。」 「いやそれはそれでいろいろあるだろうな...」 「よしわかった!ボタンってのはどうだ!」 「ボタン押すんですか」 「ライブでメンバーが出てきてボタンを押す。すると音楽が始まる。」 「音楽はどうすんすか。」 「それはどっかで用意する(笑)」 「まぁDJみたいなもんですかね。」 「DJはテクニック大変そうだ」 「もっと簡単にしないと」 「ボタンなら誰でも押せますね。」 「いや、俺はコンピュータミュージック教えていたことがあるが、半年経ってもマウスを逆さまに持ったり、フォルダが開けないとかドラッグできないとか、そういうやつはいたりするもんだ。だからボタンだって、ちゃんと押せないとか、正しい押し方を教えてください!なんてことになるかもしらん...」 「わははは!」 「あ、ちょっといいですか、ボク思うんですけど、最近蛇口って回さないと思いませんか。」 「はぁ?蛇口?いきなり何を...?」 「いや待て、なるほど蛇口...学校や駅とか、大体手を出せば水が出てくるな...」 「そうなんですよ、最近回してないなと」 「ゲゲゲ。あと10年もすると、蛇口回した世代?とか言われるんかな。」 「そもそも蛇口って何ですか?とか。」 「えっ?水って手を出せば出てくるんじゃないんですか?とか。」 「蛇とかコワーイ」 「噛まれちゃう!」 「開いた蛇口はどうすればいいんですか?閉めるに決まってるだろ!みたいな。」
「そもそももうタッチパネルですよ」 「東京ドームのステージでボタンを押すミュージシャン」 「ミュージシャンなのかわからんな」 「1曲目から順番にメンバーが押していって、ラストは全員で押す!これで観客は大盛り上がり!」 「ボタンも、シグネイチャーモデルとかできるかもしれませんね。」 「ワハハハ!」 「結局同じか。」 「なんにしろなんか考えないといけない気がしますね」 「そうなのか?」 「さて練習練習...」 なにやらペーソスを感じたところで会話はお開き。お粗末さまです。え〜ん。山や海に行きたいよ〜。2010年07月28日 イベントに参加したドラマーのO君がこんなことを口にした。これが今回のイベントを表すに尽きる言葉ではないだろうか。 7月25日(日)浅草コマキ楽器にて「小出シンバルバーチャル工場見学」と題されたイベントが行われた。「ハンマリングなんて、あんなことしたいと思ってる人いるんかなぁ...」先日、私が工場で何時間もハンマリングの作業に没頭したあげく、そのシンバルをいたく気に入ってしまったことを伝えると、小出シンバルの小出社長はそんな風に言っていた。 どちらかと言えばこのイベントは静かに、そしておごそかに行われたと言えるだろう。主催したコマキ・ドラムシティの西尾君が、ひとづてに伝えたのだろうか、少し宣伝もしたとのことだが20人弱の人で会場は埋まっていった。冒頭のドラマーO君というのは足立区西新井にあるリズケン(リズム教育研究所)で行っている私のレッスンに通ってくれていた元生徒さんで、セミナー会場で遭遇、数年ぶりに会ったわけだが、セミナーが終了してアレコレ話していたときにこの台詞が彼の口から出た。一応書いておけば、私が彼をこのイベント誘ったわけでもなく、なにか言わせるような誘導をしたつもりも無い。彼は私などいるとも思わず参加してきて、自分で小出社長の話を聞き、ハンマリングの体験もして、自ら質問をしていた。 「こういうシンバルなかなか無いですよね」 会場に置かれたプロトタイプを叩いて、彼はこうも言っていた。私が「無垢だよね」というと「そうなんですよ」と嬉しそうにシンバルを見つめる。 このイベントは、バーチャル工場見学となっているが、これはなかなかうまいネーミングかもしれない。実のところ、ハンドハンマリングの体験をさせようという目論見だったわけだが、シンバルが出来上がっていく行程をセミナー形式でお話しながら、その中のひとつの重要な行程である「ハンマリング」を実際にやってみようというものである。 イベントは2時間。参加者はドラマーや打楽器演奏者がほとんどだが、楽器作り、金属加工においてはほとんど素人であろう。2時間で形になるのか...というのは社長が危惧していたようであった。私などは、あの原盤をガンガン叩くことだけでもいろいろ感じることはあるだろうと思うのだが、そこはそれ、やはりキチンとした製品を送り出している金属加工のプロであるからして、考えがシッカリしているというところだろう。 会場にて小出社長と西尾氏の打ち合わせ。特別なことは話さずとも、場が馴染んでいく。このあたりの西尾氏の無意識のバランスは凄い。初期のモデルからプロトタイプまで。その他ハンマーや金床が用意された。 さて、前口上はこのあたりにしてイベントの流れを見ていくと、まず参加予約をしていた人の中から、ハンマリングをしてもらう人の抽選発表。この方が前に出ると、前掛けをして手袋をはめ、簡単な説明のあと早速ハンマリング。用意された金床の上にカップ処理をされて一度火入れをされた原盤を置き、トルコで使われているものと同じであるというハンマーを使って叩いていく。 私が工場でマシンハンマリングでやっていたときには、1枚につきずいぶんとトンカンやったのだが、今回この会場ではイベント開始から1時間もすると、なにやらとても良いシェイプになってきた。これには主催側もビックリしていたようで、おそらく抽選に当たった方は才能があるのかもしれないとすら皆言っていたが、ここで他の方も少しだけでもやってみたいということになり、挙手された5〜6人の方が順番にハンマリングを実際に体験されていた。彫金などの分野とは思われるが、トンカチの扱いに慣れた方もいらっしゃって、皆さんそれぞれに手応えを感じながら叩いていた。実に皆、なにかを感じ取ろうという姿勢に満ちた方が多かったと思う。 小出社長による解説。ドラムシティ西尾氏。小出社長がシンバルを作りを始めた頃からの良きアドバイザーでもある。この人もまた影の立役者と言えるだろう。みなやる気満々だったということもあろうけれど、多少叩き過ぎた箇所などを社長が修正したりしながら、形としてはかなり出来上がってきた。そしてこのころになると、最初の1時間ハンマリングをされていた抽選にあたった参加者の方は、なにやら手つきやシンバルをチェックする姿がかなり「サマ」になってきており、まるで小出シンバルのスタッフのようである。小出社長は「思った以上に速く仕上がりましたね。そして、こういうことをやってみたいという人がいるということを知りました」とおっしゃっていた。実際、大阪の工場に現地集合でもやってみたい人は?という質問をしてみると、5〜6人の方がこぞって手をあげていた。自分のシンバルを手作りしたい、自分がなにかしら関わりたい...そんなことを意気揚々と語る参加者の方もいた。イベントの進行はQ&Aに移っていき、みな思い思いにシンバルに対する疑問をぶつけていた。その先の微調整は経験者でないと難しいということ、そしてイベントの時間も次第に残りが少なくなってきたこともあり、今回ハンマリングしたシンバルを参加者の皆に回し、残り時間いっぱいまで質問を受けながら、イベントは終了となった。 その後、会場はしばらく開放となり、陳列してあった小出の初期モデルからプロトタイプまで、みな試奏したり小出社長に質問をしたりと、賑やかであった。誤解の無いように言葉を残しておくと、私はなにか広報担当であるとか、エンドースであるとかそういう関係ではまったくなく、さんざっぱらいろんなシンバルを試してきた中で、現在売られているシンバルの傾向に対する自分なりの考えがあり、そこに今こうしてシンバルという楽器において日本にひとつの動きがあることに、とても可能性を感じているというだけのことである。西尾くんとも仲良くはさせてもらってはいるが、別にこれで何かもらうということでもなく、相変わらず店でウロウロしていれば「そのシンバルは似合わないよ!」なんてこっぴどく言われるのが関の山である。そういえば最近は売り上げにもあまり貢献していないが...。 ハンマリングキットがあったらどうだろう、シンバルの売り方を昔のようにサイズと重さで指定するようにしたほうがとか、いろんな意見が飛び交う中、そろそろ会場も閉めなくては時間となり、全員退出。いやはや、このイベントは3月に豊橋のシライミュージックで行われた「小出シンバルオーダー会」の次のステップとなるのではないかと思っている。地味なものである。しかし、着実になにかが進行している。それも日本のドラマーにとって素晴らしい何かが。 イベントの様子。個人情報保護のためボカしております。問題がありましたらmail@makito.comまでご一報をお願いします。直ちに修正削除など対応させていただきます。あえてここで書いておきたいこととして、一般のドラマー諸兄に比べ、私やドラムシティの西尾君、豊橋シライミュージックの白井トシちゃんのシンバルに対する情報量にはかなり違いがあるだろう。たとえば、イベントに参加された方々が目にしたプロトタイプ、あれは一般のドラマーはまだ知らないだろう。そして3月のオーダー会で登場したプロトタイプも知らない人がほとんどであろう。さらに私も知らない目論見を小出氏が持っているだろうことは、こうして近い距離で拝見していれば匂いがしてくるというもの。小出シンバルとして今製品になって出ているのは、メーカーとして責任を持って安定供給できるものが主力となっている。もちろんそれで十分に評価が生まれているのだが、もう数年前からその匂いをかぎつつ、そして今この動きを見るに、やはりその先を感じずにはいられない。一般の方は現状を見て判断するしか無いに決まっているのだが、それは木を見て森を見ず、このシンバルはなにより飛行機や輸送貨物船に乗って届けられたのでは無い。日本の国土から原油が出たとか?我が家の庭から温泉が出たとか?もしくはまだよく見えていないけど、裏山にマツタケと思われる地面の盛り上がりが見えているのだ!とか...いやちょっと違うか...w。まぁなんにしろ、国内のメーカーが進化と展開を進めている。それを実感するものを見る機会に恵まれた立場の者として、これは書かずにはおられないのである。 もちろん安易にドメスティックマンセーなんていうつもりは無い。しかし現実に「可能性を感じる」と言わせしめ、イベントという形であれ、ハンマリングをする機会が登場したのだ。実際のところ、どんなにドラマーが「自分のシンバル」を欲しても、製品としての仕上げは、職人に適うものではないだろう。しかし、やはりこれは大いなる変化であるし、もしアナタがドラマーで、今まで楽器に対してなにか感じることがあるのならば、たとえそれがシンバルというチューニングが事実上無理であるという性格の楽器であっても、海外からの宣伝的な情報だけでなく、この楽器の製造に由来する深く正しい知識と、つくられる現実を肌で感じ取りながら、外から与えられる一方だったこうした楽器をより身近に感じ、そして自分たちの声を届け、我々サイズの道具として使うことができる可能性が起きるかもしれないのだ。 そしてこのイベントに集まった人達は、こんなクドいオヤジの文章レベルではなく、おそらくあっけらかんと純粋な気持ちで自分の欲しい楽器を求め、より楽しく音楽を演奏することに向かっていくのでないだろうかとすら思ってしまうのだ。これって良いことですよ。 昨日の参加者や、私が直接ハンマリング話を聞かせたり、日記を読んでくれた人からの反応を見ていると「自分で作ったシンバルで演奏できたらすごいいいと思う!」「やってみたい!」という若い人も少なくない。この言葉を分析すると、非常に浅いところで言っている人もある程度の深さで言っている人もいるだろう。実際にハンマリングの作業をやってみれば、引いちゃう人だっているかもしれない。でも、こういう要望が今こうしてあるっていうのはなんだろうといろいろ考えると、それはコロッケを目の前で揚げて売ってくれる店が欲しいんじゃないのかなと。そういうことなんだと思うのだ。匂いがして、作ってる人の目や声を聞いて、手渡されること。あぁ結局西尾くんの言っていたところに流れついてしまった。 これは自分の立場のみで勝手なことを言うことになるけれど、個人的には、メーカー、販売/流通網、ユーザーの乖離が目に見えて大きくなってきている状況なのかもしれないと思っている。だって、作り手の熱意を伝えようとしている取扱店っていったいどれだけあるんだろう。ちゃんと製品について応えられる代理店ってどれだけあるんだろう。で、メーカーからの意向は、なんらかのコントロールと称して失われていく。そこに税法も法律も入り込む。どこで誰が作ってるかわからねぇ冷凍食品をチンして食って、気にするのは在庫数と値段だけだなんて、俺にはどうにも考えられない。 楽器っていうのは、もう少しそうじゃないものになって良いと思うのだけれど、食の世界で、曲がってるきゅうりを買わないとか、味覚が子供になってるのと同じで、自分だってそうなんだが、見た目とブランドで楽器を選び、リズムもハーモニーも倍音も区別がつかない子供な耳で、刺激ばかりになってる消費者的演奏者が多いってことなのかもしれない。あぁそうか、もはや楽器を演奏するってのはそれ自体が「買い物」なのかもしれないな。それだったら売れるもの作るのはもっと簡単かもしれない。職人に作らせないこと、そして楽器がわかる人間にモノを言わせなければ、ブランドロゴ入り楽器風サービス商品が出来上がるのではないか。 こうして考えながら、ふと思ったことは、探検とか冒険みたいなものかなということ。なにがあるんだろう、どうなっているんだろう、と思って探検するってのは僕らの遊びにあった。なにかがあるかもしれないとか、解明したいという気持ち。子供の探検なんてたかが知れているが、それはそれで結構ビビったりもして、その中で失敗しないようにテンションをあげていく、みたいな。今はあんまりそういうのじゃないんだろうな。人生を選択するということすら、買い物のようにとらえてしまっているのかもしれない。終身雇用は崩壊したが、めでたくみんなレールの上に乗っかっているのだろう。まぁ、国民という名のサラリーマンみたいなものだから、自分だってそうなのだが。 あれれ、皮肉になってしまった。実のところ、肉屋のコロッケが好きな連中が集まった、ということが素晴らしく思える一番のことだったのかもしれない。そういえば、俺の周りを見渡せば、実験探検が好きな人は多いなぁ。それをして理系とか言うつもりもなく、実験系、探検系というのも面白いかもしれない。 自作というと、なにか完成させないといけないというベクトルを感じるが、探検や実験ならば、そのニュアンスは変わってくる。そう。ハンマリングにしろなんにしろ、実験したい人、探検したいという気持ちが実のところ一番であって「買って揃えればいい」なんてことじゃ満足できないってのが素晴らしいことじゃないですか!そういえば自分にとってはドラムの練習も探検に満ちていたっけ! |