makito's voice
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2010年07月28日
浅草コマキ楽器「小出シンバルバーチャル工場見学」イベント

  • 以下、浅草コマキ楽器で行われた「小出シンバルバーチャル工場見学」のレポートです。やはりクドくてスミマセン。
  • 「ものすごい可能性を感じますね...」

    イベントに参加したドラマーのO君がこんなことを口にした。これが今回のイベントを表すに尽きる言葉ではないだろうか。

     7月25日(日)浅草コマキ楽器にて「小出シンバルバーチャル工場見学」と題されたイベントが行われた。「ハンマリングなんて、あんなことしたいと思ってる人いるんかなぁ...」先日、私が工場で何時間もハンマリングの作業に没頭したあげく、そのシンバルをいたく気に入ってしまったことを伝えると、小出シンバルの小出社長はそんな風に言っていた。

     どちらかと言えばこのイベントは静かに、そしておごそかに行われたと言えるだろう。主催したコマキ・ドラムシティの西尾君が、ひとづてに伝えたのだろうか、少し宣伝もしたとのことだが20人弱の人で会場は埋まっていった。冒頭のドラマーO君というのは足立区西新井にあるリズケン(リズム教育研究所)で行っている私のレッスンに通ってくれていた元生徒さんで、セミナー会場で遭遇、数年ぶりに会ったわけだが、セミナーが終了してアレコレ話していたときにこの台詞が彼の口から出た。一応書いておけば、私が彼をこのイベント誘ったわけでもなく、なにか言わせるような誘導をしたつもりも無い。彼は私などいるとも思わず参加してきて、自分で小出社長の話を聞き、ハンマリングの体験もして、自ら質問をしていた。

     「こういうシンバルなかなか無いですよね」

    会場に置かれたプロトタイプを叩いて、彼はこうも言っていた。私が「無垢だよね」というと「そうなんですよ」と嬉しそうにシンバルを見つめる。

     このイベントは、バーチャル工場見学となっているが、これはなかなかうまいネーミングかもしれない。実のところ、ハンドハンマリングの体験をさせようという目論見だったわけだが、シンバルが出来上がっていく行程をセミナー形式でお話しながら、その中のひとつの重要な行程である「ハンマリング」を実際にやってみようというものである。

     イベントは2時間。参加者はドラマーや打楽器演奏者がほとんどだが、楽器作り、金属加工においてはほとんど素人であろう。2時間で形になるのか...というのは社長が危惧していたようであった。私などは、あの原盤をガンガン叩くことだけでもいろいろ感じることはあるだろうと思うのだが、そこはそれ、やはりキチンとした製品を送り出している金属加工のプロであるからして、考えがシッカリしているというところだろう。

    会場にて小出社長と西尾氏の打ち合わせ。特別なことは話さずとも、場が馴染んでいく。このあたりの西尾氏の無意識のバランスは凄い。

    初期のモデルからプロトタイプまで。その他ハンマーや金床が用意された。

     さて、前口上はこのあたりにしてイベントの流れを見ていくと、まず参加予約をしていた人の中から、ハンマリングをしてもらう人の抽選発表。この方が前に出ると、前掛けをして手袋をはめ、簡単な説明のあと早速ハンマリング。用意された金床の上にカップ処理をされて一度火入れをされた原盤を置き、トルコで使われているものと同じであるというハンマーを使って叩いていく。
     もちろん会場にはトンカントンカンと音が響くのだが、司会進行のドラムシティ西尾君と小出社長はマイクを使ってセミナー形式で小出シンバルの誕生の逸話から、シンバル作り、原材料、製法などについての解説を進めていく。参加者の方々の中には、詳細なメモを取る人もおり、なにやらみな真剣。先日のハンマリング体験をということでマイクを振られたので、多少話をさせていただいたが、その間に小出社長は、ハンマリングが進行していく今回のシンバルの様子を見て、修正や指示を出している。

     私が工場でマシンハンマリングでやっていたときには、1枚につきずいぶんとトンカンやったのだが、今回この会場ではイベント開始から1時間もすると、なにやらとても良いシェイプになってきた。これには主催側もビックリしていたようで、おそらく抽選に当たった方は才能があるのかもしれないとすら皆言っていたが、ここで他の方も少しだけでもやってみたいということになり、挙手された5〜6人の方が順番にハンマリングを実際に体験されていた。彫金などの分野とは思われるが、トンカチの扱いに慣れた方もいらっしゃって、皆さんそれぞれに手応えを感じながら叩いていた。実に皆、なにかを感じ取ろうという姿勢に満ちた方が多かったと思う。

    小出社長による解説。

    ドラムシティ西尾氏。小出社長がシンバルを作りを始めた頃からの良きアドバイザーでもある。この人もまた影の立役者と言えるだろう。

     みなやる気満々だったということもあろうけれど、多少叩き過ぎた箇所などを社長が修正したりしながら、形としてはかなり出来上がってきた。そしてこのころになると、最初の1時間ハンマリングをされていた抽選にあたった参加者の方は、なにやら手つきやシンバルをチェックする姿がかなり「サマ」になってきており、まるで小出シンバルのスタッフのようである。小出社長は「思った以上に速く仕上がりましたね。そして、こういうことをやってみたいという人がいるということを知りました」とおっしゃっていた。実際、大阪の工場に現地集合でもやってみたい人は?という質問をしてみると、5〜6人の方がこぞって手をあげていた。自分のシンバルを手作りしたい、自分がなにかしら関わりたい...そんなことを意気揚々と語る参加者の方もいた。イベントの進行はQ&Aに移っていき、みな思い思いにシンバルに対する疑問をぶつけていた。その先の微調整は経験者でないと難しいということ、そしてイベントの時間も次第に残りが少なくなってきたこともあり、今回ハンマリングしたシンバルを参加者の皆に回し、残り時間いっぱいまで質問を受けながら、イベントは終了となった。

     その後、会場はしばらく開放となり、陳列してあった小出の初期モデルからプロトタイプまで、みな試奏したり小出社長に質問をしたりと、賑やかであった。誤解の無いように言葉を残しておくと、私はなにか広報担当であるとか、エンドースであるとかそういう関係ではまったくなく、さんざっぱらいろんなシンバルを試してきた中で、現在売られているシンバルの傾向に対する自分なりの考えがあり、そこに今こうしてシンバルという楽器において日本にひとつの動きがあることに、とても可能性を感じているというだけのことである。西尾くんとも仲良くはさせてもらってはいるが、別にこれで何かもらうということでもなく、相変わらず店でウロウロしていれば「そのシンバルは似合わないよ!」なんてこっぴどく言われるのが関の山である。そういえば最近は売り上げにもあまり貢献していないが...。

     ハンマリングキットがあったらどうだろう、シンバルの売り方を昔のようにサイズと重さで指定するようにしたほうがとか、いろんな意見が飛び交う中、そろそろ会場も閉めなくては時間となり、全員退出。いやはや、このイベントは3月に豊橋のシライミュージックで行われた「小出シンバルオーダー会」の次のステップとなるのではないかと思っている。地味なものである。しかし、着実になにかが進行している。それも日本のドラマーにとって素晴らしい何かが。

    イベントの様子。個人情報保護のためボカしております。問題がありましたらmail@makito.comまでご一報をお願いします。直ちに修正削除など対応させていただきます。

     あえてここで書いておきたいこととして、一般のドラマー諸兄に比べ、私やドラムシティの西尾君、豊橋シライミュージックの白井トシちゃんのシンバルに対する情報量にはかなり違いがあるだろう。たとえば、イベントに参加された方々が目にしたプロトタイプ、あれは一般のドラマーはまだ知らないだろう。そして3月のオーダー会で登場したプロトタイプも知らない人がほとんどであろう。さらに私も知らない目論見を小出氏が持っているだろうことは、こうして近い距離で拝見していれば匂いがしてくるというもの。小出シンバルとして今製品になって出ているのは、メーカーとして責任を持って安定供給できるものが主力となっている。もちろんそれで十分に評価が生まれているのだが、もう数年前からその匂いをかぎつつ、そして今この動きを見るに、やはりその先を感じずにはいられない。一般の方は現状を見て判断するしか無いに決まっているのだが、それは木を見て森を見ず、このシンバルはなにより飛行機や輸送貨物船に乗って届けられたのでは無い。日本の国土から原油が出たとか?我が家の庭から温泉が出たとか?もしくはまだよく見えていないけど、裏山にマツタケと思われる地面の盛り上がりが見えているのだ!とか...いやちょっと違うか...w。まぁなんにしろ、国内のメーカーが進化と展開を進めている。それを実感するものを見る機会に恵まれた立場の者として、これは書かずにはおられないのである。

     もちろん安易にドメスティックマンセーなんていうつもりは無い。しかし現実に「可能性を感じる」と言わせしめ、イベントという形であれ、ハンマリングをする機会が登場したのだ。実際のところ、どんなにドラマーが「自分のシンバル」を欲しても、製品としての仕上げは、職人に適うものではないだろう。しかし、やはりこれは大いなる変化であるし、もしアナタがドラマーで、今まで楽器に対してなにか感じることがあるのならば、たとえそれがシンバルというチューニングが事実上無理であるという性格の楽器であっても、海外からの宣伝的な情報だけでなく、この楽器の製造に由来する深く正しい知識と、つくられる現実を肌で感じ取りながら、外から与えられる一方だったこうした楽器をより身近に感じ、そして自分たちの声を届け、我々サイズの道具として使うことができる可能性が起きるかもしれないのだ。

     そしてこのイベントに集まった人達は、こんなクドいオヤジの文章レベルではなく、おそらくあっけらかんと純粋な気持ちで自分の欲しい楽器を求め、より楽しく音楽を演奏することに向かっていくのでないだろうかとすら思ってしまうのだ。これって良いことですよ。

     昨日の参加者や、私が直接ハンマリング話を聞かせたり、日記を読んでくれた人からの反応を見ていると「自分で作ったシンバルで演奏できたらすごいいいと思う!」「やってみたい!」という若い人も少なくない。この言葉を分析すると、非常に浅いところで言っている人もある程度の深さで言っている人もいるだろう。実際にハンマリングの作業をやってみれば、引いちゃう人だっているかもしれない。でも、こういう要望が今こうしてあるっていうのはなんだろうといろいろ考えると、それはコロッケを目の前で揚げて売ってくれる店が欲しいんじゃないのかなと。そういうことなんだと思うのだ。匂いがして、作ってる人の目や声を聞いて、手渡されること。あぁ結局西尾くんの言っていたところに流れついてしまった。

     これは自分の立場のみで勝手なことを言うことになるけれど、個人的には、メーカー、販売/流通網、ユーザーの乖離が目に見えて大きくなってきている状況なのかもしれないと思っている。だって、作り手の熱意を伝えようとしている取扱店っていったいどれだけあるんだろう。ちゃんと製品について応えられる代理店ってどれだけあるんだろう。で、メーカーからの意向は、なんらかのコントロールと称して失われていく。そこに税法も法律も入り込む。どこで誰が作ってるかわからねぇ冷凍食品をチンして食って、気にするのは在庫数と値段だけだなんて、俺にはどうにも考えられない。

     楽器っていうのは、もう少しそうじゃないものになって良いと思うのだけれど、食の世界で、曲がってるきゅうりを買わないとか、味覚が子供になってるのと同じで、自分だってそうなんだが、見た目とブランドで楽器を選び、リズムもハーモニーも倍音も区別がつかない子供な耳で、刺激ばかりになってる消費者的演奏者が多いってことなのかもしれない。あぁそうか、もはや楽器を演奏するってのはそれ自体が「買い物」なのかもしれないな。それだったら売れるもの作るのはもっと簡単かもしれない。職人に作らせないこと、そして楽器がわかる人間にモノを言わせなければ、ブランドロゴ入り楽器風サービス商品が出来上がるのではないか。

     こうして考えながら、ふと思ったことは、探検とか冒険みたいなものかなということ。なにがあるんだろう、どうなっているんだろう、と思って探検するってのは僕らの遊びにあった。なにかがあるかもしれないとか、解明したいという気持ち。子供の探検なんてたかが知れているが、それはそれで結構ビビったりもして、その中で失敗しないようにテンションをあげていく、みたいな。今はあんまりそういうのじゃないんだろうな。人生を選択するということすら、買い物のようにとらえてしまっているのかもしれない。終身雇用は崩壊したが、めでたくみんなレールの上に乗っかっているのだろう。まぁ、国民という名のサラリーマンみたいなものだから、自分だってそうなのだが。

     あれれ、皮肉になってしまった。実のところ、肉屋のコロッケが好きな連中が集まった、ということが素晴らしく思える一番のことだったのかもしれない。そういえば、俺の周りを見渡せば、実験探検が好きな人は多いなぁ。それをして理系とか言うつもりもなく、実験系、探検系というのも面白いかもしれない。

     自作というと、なにか完成させないといけないというベクトルを感じるが、探検や実験ならば、そのニュアンスは変わってくる。そう。ハンマリングにしろなんにしろ、実験したい人、探検したいという気持ちが実のところ一番であって「買って揃えればいい」なんてことじゃ満足できないってのが素晴らしいことじゃないですか!そういえば自分にとってはドラムの練習も探検に満ちていたっけ!

  • 2010年07月19日
    手の音

  • ここんとこライブやリハで、マキトシンバルを使っている。昨日は音に五月蝿いメンバーだったが、シンバルの音が良いと言ってくれていた。ふっふっふ。ところがこのシンバル、普通の人に聞かせても「?」を出す人が多い。無理もない。これは良い音なのではなくて、なにか楽器と自分との間に何も邪魔なものがないという感じなのかもしれない。そんな匂いをして良い音という人、単純に音色として良いと思わない人。まぁいろいろあって良い。
  • キープする、というのは実は概念ではないかと思うところがある。まっすぐ、と同じような。ということで、手の音を出すことに専念できればそれで幸せとする。
  • 今日はカメラマンのHさんが現場に入ってきた瞬間「今日なんかおかしいねぇ」と、不調を見破られた。まぁもはや公言しているレベルではあったが、そうやって言われても返す体勢にならない自分。Hさんによるとバナナが良いとのことで、最近シェイプアップしてクマちゃんの名を返上しつつあるKTN氏が買ってきてくれたが、まぁちょっと回復したような変わらないような...。でも仕事はかなり良い感じで進んだのではないかと自画自賛。それにしても、どうにもこのところ頭の回転が悪い。イメージを感じられなくなっている。ビタミンCでも摂取しておくか。
  • 2010年07月18日
    むがー

  • うお〜いい天気。空気も乾いている。夏だ!連休だ!しかし仕事だ!全滅だ(笑)

    え〜ん。山や海に行きたいよ〜。

  • 2010年07月10日
    ボタンミュージシャンと蛇口を回す世代

  • 以下、実際の会話ではありますが、あくまで冗談ということで。多少の編集含みます。
  • 学生6〜7人との会話。

     16分のアクセント移動やキックとスネアのコンビネーションなどをやりながら、左足のヒール&トゥの動きを加えるのが難しいという学生がいた。実際これはじっくり取り組まないと難しく、練習するべき音型の組み合わせも多いので、それをいきなり習得しようとすると大変なものではある。要領の良い子はわりとあっさりできてしまったり、普段ガンガン叩いてるやつでも、すごく苦手な組み合わせに手こずるなんてことは実によくある。
     その学生は真面目なやつであり、きちんとやるべきことに向かいつつも、うまくいかないんすよ〜とつい口にしている感じである。それをわざわざ「オマエは何を言っているのだ!そんなことでどうする!」と言ってもアレなので、

    「じゃぁやめちゃえばいいじゃん!左足使わないとか!」

    と言ってみた。すると

    「ええっ!やめちゃったらダメじゃないですか!」と笑いながら言う。

    「そもそもクラシックとかの楽器の演奏技法とかレベルからすれば、ジャズやロックになって、使われない表現とか削ぎ落とされていったものもあるだろう。海外留学してヨーロッパのオーケストラに、なんていうものから、Tシャツとジーンズでコード3つでもやれちゃうのがロックって面もあったろうし、民衆が音楽を手に入れたわけだよ!」


    「はぁ...」


     またなにやら始まった的な反応。まぁここから、左足はなぜ使うのか、それはひょっとしたら左手を使わずに飯食ってるやつみたいな行儀の問題か、なにか生物が感じる「動いてない部分への壊死や血の通わないものへの感じ方」なのかもしれないみたいな話もあったのだがそれは割愛。


    「大体8ビートなんてすごい発明なわけで。あれで、うわぁ〜楽器演奏できるんですか〜!なんて言われちゃうってすごいよな。まぁもちろん奥は深いのだが。」


    「まぁそうですね」


    「いっそのことさ、スネアだけで演奏するスタイルとか作っちゃたらいいんじゃん?あまねくテクニック習得地獄からも抜け出せるし(笑)」

    「いや、それはそれでスネアの上手い下手もあるじゃないですか」

    「そりゃそうだ!じゃぁただバックビートだけ叩くってのはどうだ?フィルも無し!叩いたらダメ!あぁでもそれでもタイムキープの問題とか音色の良し悪しもあるな...」

    「なんか寂しいですよ。」

    「セットが叩けないからスネアだけっていう消極的な発想はダメだが、あんまりいろいろやらない人もいるじゃん。えっ?それでいいんだ!?シンプルだけどすげーチカラあるね、っていう人もいるじゃん。ま、もちろんその実力ってのは別の話になるけど。」

    「スネアだけっすか...」

    「楽器はさ、うまくならないとか買えないとか、そういうコンプレックスもあるよな。そういう感情の不便から開放されるためには、もはや楽器も使ってはいけないのではないのか!」

    「じゃぁどうすんすか。パフォーマンスすか。」

    「いやそれはそれでいろいろあるだろうな...」

    「よしわかった!ボタンってのはどうだ!」

    「ボタン押すんですか」

    「ライブでメンバーが出てきてボタンを押す。すると音楽が始まる。」

    「音楽はどうすんすか。」

    「それはどっかで用意する(笑)」

    「まぁDJみたいなもんですかね。」

    「DJはテクニック大変そうだ」

    「もっと簡単にしないと」

    「ボタンなら誰でも押せますね。」

    「いや、俺はコンピュータミュージック教えていたことがあるが、半年経ってもマウスを逆さまに持ったり、フォルダが開けないとかドラッグできないとか、そういうやつはいたりするもんだ。だからボタンだって、ちゃんと押せないとか、正しい押し方を教えてください!なんてことになるかもしらん...」

    「わははは!」

    「あ、ちょっといいですか、ボク思うんですけど、最近蛇口って回さないと思いませんか。」

    「はぁ?蛇口?いきなり何を...?」

    「いや待て、なるほど蛇口...学校や駅とか、大体手を出せば水が出てくるな...」

    「そうなんですよ、最近回してないなと」

    「ゲゲゲ。あと10年もすると、蛇口回した世代?とか言われるんかな。」

    「そもそも蛇口って何ですか?とか。」

    「えっ?水って手を出せば出てくるんじゃないんですか?とか。」

    「蛇とかコワーイ」

    「噛まれちゃう!」

    「開いた蛇口はどうすればいいんですか?閉めるに決まってるだろ!みたいな。」


     くだらねぇ、と言いたげだが、あながち笑えない。


    「俺たち蛇口回した世代だ...」


     さっきまで本気で笑っていた一同だが、なにかシリアスなものが立ち込める。自分たちもいずれ古い世代になるという事実を愕然と感じている風でもある。ドラム練習してるときにこのシリアスな顔は見たことが無い。


    「ボタンだって、押せないやつが出てくるかも。」

    「そもそももうタッチパネルですよ」

    「東京ドームのステージでボタンを押すミュージシャン」

    「ミュージシャンなのかわからんな」

    「1曲目から順番にメンバーが押していって、ラストは全員で押す!これで観客は大盛り上がり!」

    「ボタンも、シグネイチャーモデルとかできるかもしれませんね。」

    「ワハハハ!」

    「結局同じか。」

    「なんにしろなんか考えないといけない気がしますね」

    「そうなのか?」

    「さて練習練習...」

     なにやらペーソスを感じたところで会話はお開き。お粗末さまです。

  • 2010年07月06日
    京都Iwasabiさん

  • 最近、ツイッターで山登り関係の人達とのやりとりをさせてもらっている。実に愉快で面白い人達ばかりだ。それもそのはず、山やギア(道具)関係について調べてみればすぐに辿り着く重鎮ブロガー達も多く、みなさん自由闊達で機知に富んでいる。山登り1年足らずの自分ではあるが、袖すり合うことができてとにかく感謝が多い。音楽をやっている人達の中にも素晴らしい人達はたくさんいるが、やはりまた別の活力を感じさせられる人達が多い。
  • さて、そんな人とのお話し。先日大阪に行ったときに、何年かぶりに京都に寄りたいと思った。鷹峯の周辺や、いろめしの黒川とかどんな具合かなと常々思っている。大阪から小一時間、京都へ着くと予報では雨だったが晴れ間が出ていた。昼前になんとか鷹峯に着き、千本通りのたんぽぽラーメンを食べ、ブラブラ散歩する。松野醤油の横の細い道を入っていくと、草木の匂いがムンと強くなる。少し下るように進み住宅街を歩く。暑い。鏡石通の向こう側にはお山さん。来るときのバスから、このお山の南側にも大文字焼きの火床が見えていたな。庭園風の峰玉亭というところを少しのぞかせてもらう。見たことのない花や草木。盆栽ってのも面白そうだなと思ってみたり。道を戻って鷹峯の農家を探して歩く。どの辺だったか...いつもなんとなく歩いていると軒下で野菜売ってるところがあったりしたのだが...。あれれ。なんだか見つからない。それにしても、住宅が密集して畑の肩身が狭そうである。なんてこった。枝豆、きゅうり、茄子、キャベツ...。キャベツの畑に蝶が飛んでるなんてことは、昔は足立区でもよく見ることができたのに..。木々や草花、田んぼや土を見なくなると人間おかしくなるでホンマに。諦めて松野醤油に戻って味噌やら醤油やら分けていただく。重くなったザックを背負って、諦めたはずがまた歩き出す。往生際が悪いのだ私は。もはやなにも考えず、感じるままに歩いたら、あっという間に農家に付いた。万願寺とうがらしを手に取ると、農家の親父さんが出てきて「このトマト食ってみぃ!こんな味が出たのは初めてや」というので、買ってみる。近くの神社で荷物を整理しながらひとつ食べてみる。コラウマ!

    鷹峯に到着

    たんぽぽラーメン。少し味変わったかな...。焼き飯うめー。

    松野醤油

    裏道を歩く。ここなんだか好き。

    昔は足立区にもこんな畑がたくさんあったなぁ。

    こうしてキャベツを見るのが久しぶりであることに気がつく。

    農家でわけてもらったトマトととうがらし。

  • さてここからが本題。この日、ツイッターでいつも優しくお相手をしてくださるiwasabiさんという方と、夕方に対面の約束をしていたのである。この方はご自分のプロフィールなどで低山のハイク中心と書かれているが、なかなかにこまめに行動されていて、京都の大文字山での動画や福井の山の写真など拝見し興味をそそられる。京都でお会いできそうとなり、天気が良ければ大文字山に登ってみたいと思っていたが、予報は雨、ならば軽く飲みにしましょうとなっていた。ところがこの日は雨どころかどんどん天気がよくなり暑くなってきた。鷹峯で用事を終えたのが13時過ぎだったろうか。天気が崩れる気配も無い。時間はまだまだある。それならばひとりで大文字山に登ってみようと思った。1〜2時間で登って降りて、風呂でも入ってちょうど待ち合わせくらいだろうと思いつつ、銀閣寺まで移動。なんとツイッターで道案内まで受けながら大文字山を目指していくと「法然院。こちら側から火床へ。」というiwasabiさんのツイット。おやおや?大阪からの移動中に「晴れ間が見える」などと書き込みをしてはいたものの、ひょっとして、いやでも登るとも書いてないし...?
  • 大文字山の登り始めは川の横を歩くのだが、これがひんやりして気持ちいい。行き交う人と挨拶をしながら歩く。なんというか山の匂いが深い。ちょっと入っただけなのに、土の匂いがぷーんと強く感じる。気合の入らない身体を運びながら、電波状況の良い場所でツイッターを見れば、どうやらiwasabiさんは火床の上の方にいるらしいではないか!おおお〜!そしてほどなく視界が開ける。あぁここが火床か。うわぁ見晴らしが良い。気持ちイイ!天気いいし、風が気持ち良い。さぁそして、少し上がってみる。あっこの人は..あぁ違う...おや、あの人か...あぁ違う...。すると少しあがった段のところに、もう雰囲気だけでこの人に違いないと思われる人物を発見。手を振ってみると、画面で見たことのある顔が...(笑)こうした大文字山でご対面。まぁいい大人がはしゃぐほどのことでもないのかもしれないが、理屈抜きに嬉しい。わざわざ気配を察して大文字山に来ていただいたのだ。恐縮しまくり。いやしかし天気良いし気持ちいい。そしてペラペラと話をさせてもらい、花の写真を撮ったりあれこれしながら下山。飲みに行く店は夕方からだから、なにか冷たいものでもとなったが、ここからがまた面白かった。

    銀閣寺の方から大文字山へ。

    川沿いにしばし歩く。涼しい。ここから山道。

    気持ち良い道。

    おお!ここが火床か!

    iwasabiさん。なんかカッコイイじゃいないすか!

    お花。持ち帰ってしまうような人がいるらしい。

    京都を一望。気持ちいい。クリックで拡大します。

  • 大文字山を降り、哲学の道を歩く。よく知られた場所ではあるが、地元の人と話をしながら歩くとまた風情が違う。今出川通を西に歩きながら、左斜め方向を指差しながら「あの山の上にお店があるんですよ」とiwasabiさん。吉田山というらしく、その山を歩いて行くと、なにやら先程対面を果たした大文字山がくっきりと見える。そしてなにやら家屋が見えてきたと思ったら、それが茂庵というカフェだった。2階にあがると窓の外に向けてテーブルなど配置され、とても良い雰囲気である。まるでデートコース。むさいオッサン(俺だけ)が来て良いのだろうか。このお店はとても有名な様子で、京都と言えば鷹峯で野菜買うなんていうオッサンは知る由も無い。いやしかし居心地最高。座った席からはまたもや大文字山が見える。西側のカウンターも、山の緑の向こう側に多少街並みが伺える感じで、こら爽快だわ。こんなとこで毎日練習したり仕事できたら最高やなぁ。

    ここから吉田山へ登る。

    数分でほどなく休憩場。大文字山がよく見える。

    望遠とか試してみる。

    茂庵。おしゃれなお店です。

  • 吉田山を降りる頃には、なんだか自分が段々変なことを口走っていたような気がする。東京に対する不満であるとか、そんな話。それにしても道行く京都の女性はスラリとしている。醤油と味噌、唐辛子やトマトをザックに入れて歩いているこのオッサンの腹とはエライ違いである。街も小奇麗である。まぁ国際的な観光都市である京都と足立区を比べるのは無理があるか。しかしなにやらブツブツ言っていたのを憶えている。もっと楽しい話題はないのか!と思いつつもなぜかその方向へ。今出川通りをさらに西へ。百万遍の交差点に到着。以前よく京都に来ていたころに比べ、交差点の様子もだいぶ変わっていた。そしてとあるお店へ。なんとエビスもある!うれぴい。iwasabiさんはマスターにおまかせで頼んでくれ、まずは乾杯。ふい〜うまい。暑かったのもあるし、実にうまい。この店からも大文字山がばっちり見える。そしてここから、アレコレツベコベといろんな話をした。話しながら「初対面の人になんでこんなにしゃべってんだろう俺」と思いながらも、話は進む。いやぁ楽しかった。iwasabiさんしょうもない話しにつきあわせてすんません!でもなんというか自然なのだ。怒らない寺のお坊さんという人がいるとするならば、それはiwasabiさんである。滅法甘えてしまったわけだが、考えて見れば年下の方ではある。ま、そこはそれ、今度東京に来られることがあれば、滅法甘えていただくこととして(笑)

    百万遍のとあるお店。ここからも大文字山が!今日はずっと見守っていただいているような...。

    いろいろ美味かったが、綺麗に取れている一枚。水茄子うめー。

  • 結局6時間以上お相手してもらったのだろうか。宴はお開きとし店を出て、iwasabiさんとお別れの挨拶。私は近くの銭湯に入り、出町柳駅まで歩き鴨川のほとりでボーっとしてから河原町へ。黒川は定休日。先斗町を少し歩いたりしたが、結局店にも入らず烏丸まで歩いて京都駅へ向かった。昔は京都に来ると、ああいつまでもここにいたい帰りたくないと思ったものだったが、今回はなんだか活力をもらったようである。京都にはまたいつ来られるかな...。しかしiwasabiさんとはまた何度もお会いしそうな予感がしている。iwasabiさんありがとうございました!

    待望の銭湯に入ってスッキリ!

    河原町へ移動。黒川は定休日。オヤジさんおカァさん元気かなぁ。

    鴨川。次に来れるのはいつかな...。

  • 2010年07月03日
    くじら

  • ひるま豆腐さんから鯨をいただいた。刺身と唐揚げ。美味しい!ぺろりと食べてしまいました。感謝を添えて。

    刺身。画像は5D。

    唐揚げ

  • 先日の浅草の会。近くにいた方にお願いしたが、なかなか良い構図!

    この人達と会話をすると自分の中でなにかが矯正される。