makito's voice |
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2010年07月10日 16分のアクセント移動やキックとスネアのコンビネーションなどをやりながら、左足のヒール&トゥの動きを加えるのが難しいという学生がいた。実際これはじっくり取り組まないと難しく、練習するべき音型の組み合わせも多いので、それをいきなり習得しようとすると大変なものではある。要領の良い子はわりとあっさりできてしまったり、普段ガンガン叩いてるやつでも、すごく苦手な組み合わせに手こずるなんてことは実によくある。 「じゃぁやめちゃえばいいじゃん!左足使わないとか!」 と言ってみた。すると 「ええっ!やめちゃったらダメじゃないですか!」と笑いながら言う。 「そもそもクラシックとかの楽器の演奏技法とかレベルからすれば、ジャズやロックになって、使われない表現とか削ぎ落とされていったものもあるだろう。海外留学してヨーロッパのオーケストラに、なんていうものから、Tシャツとジーンズでコード3つでもやれちゃうのがロックって面もあったろうし、民衆が音楽を手に入れたわけだよ!」
「いや、それはそれでスネアの上手い下手もあるじゃないですか」 「そりゃそうだ!じゃぁただバックビートだけ叩くってのはどうだ?フィルも無し!叩いたらダメ!あぁでもそれでもタイムキープの問題とか音色の良し悪しもあるな...」 「なんか寂しいですよ。」 「セットが叩けないからスネアだけっていう消極的な発想はダメだが、あんまりいろいろやらない人もいるじゃん。えっ?それでいいんだ!?シンプルだけどすげーチカラあるね、っていう人もいるじゃん。ま、もちろんその実力ってのは別の話になるけど。」 「スネアだけっすか...」 「楽器はさ、うまくならないとか買えないとか、そういうコンプレックスもあるよな。そういう感情の不便から開放されるためには、もはや楽器も使ってはいけないのではないのか!」 「じゃぁどうすんすか。パフォーマンスすか。」 「いやそれはそれでいろいろあるだろうな...」 「よしわかった!ボタンってのはどうだ!」 「ボタン押すんですか」 「ライブでメンバーが出てきてボタンを押す。すると音楽が始まる。」 「音楽はどうすんすか。」 「それはどっかで用意する(笑)」 「まぁDJみたいなもんですかね。」 「DJはテクニック大変そうだ」 「もっと簡単にしないと」 「ボタンなら誰でも押せますね。」 「いや、俺はコンピュータミュージック教えていたことがあるが、半年経ってもマウスを逆さまに持ったり、フォルダが開けないとかドラッグできないとか、そういうやつはいたりするもんだ。だからボタンだって、ちゃんと押せないとか、正しい押し方を教えてください!なんてことになるかもしらん...」 「わははは!」 「あ、ちょっといいですか、ボク思うんですけど、最近蛇口って回さないと思いませんか。」 「はぁ?蛇口?いきなり何を...?」 「いや待て、なるほど蛇口...学校や駅とか、大体手を出せば水が出てくるな...」 「そうなんですよ、最近回してないなと」 「ゲゲゲ。あと10年もすると、蛇口回した世代?とか言われるんかな。」 「そもそも蛇口って何ですか?とか。」 「えっ?水って手を出せば出てくるんじゃないんですか?とか。」 「蛇とかコワーイ」 「噛まれちゃう!」 「開いた蛇口はどうすればいいんですか?閉めるに決まってるだろ!みたいな。」
「そもそももうタッチパネルですよ」 「東京ドームのステージでボタンを押すミュージシャン」 「ミュージシャンなのかわからんな」 「1曲目から順番にメンバーが押していって、ラストは全員で押す!これで観客は大盛り上がり!」 「ボタンも、シグネイチャーモデルとかできるかもしれませんね。」 「ワハハハ!」 「結局同じか。」 「なんにしろなんか考えないといけない気がしますね」 「そうなのか?」 「さて練習練習...」 なにやらペーソスを感じたところで会話はお開き。お粗末さまです。 |