makito's voice

2010年08月22日
Hariyama Production

  • お山関係のグッズやギアは見ていてとても面白い。私の場合、山の先生が三鷹に住んでいた関係で、山に興味を持った時点でUL=Ultra Lightというムーブメントについてあれこれ聞かされており、その関係のブログやメーカーなどチラホラ見るようになっていた。この界隈は実にいろんな製品があって、なんといってもエネルギーを感じるのがガレージメーカーのギアとそれらを使う人達。ペッラペラの2〜300gくらいしかないバックパックや、1kgに満たないテント、布切れ一枚のTarpで屋根を作って寝てしまう人達...。山登り関係のブログを探していくと、溢れるインテリジェンスとミニマムに削った装備で、山という、時として危険な領域でもある場所に果敢に入っていく人達を見つけることができる。そんでもってですね。日本でもそんな欧米のガレージメーカーに負けない自作派の人達、メーカーを作っちゃった人、その分野では重鎮と呼ばれるほどのギアに詳しい人達がいて、ブログやツイッターでも賑わっているし、雑誌等でも紹介されている。そういう人達と話す機会を持つと、自由でエネルギッシュで体力と知性、時として酒の強さに溢れていて素晴らしいなと思う。
  • 前置きが長くなってしまった。で、あるときネットを徘徊していたら、なにやらULの匂いプンプンなザックの画像を載せているブログがあって、ツイッター上でも話題に登った。Hariyama Productionというもので、こりゃなにやら自作されている様子。でも、とても綺麗に作られているようだし、Productionとあるし...。で、メールを送ってみたところ、山登りが好きな方で、自分のギアを自分で作るようになったという。Productionとは謳っているものの、普通に仕事をしている方で、特にメーカーとして動こうとしているわけではないのですが...とのこと。自分もシェルターを作りたいと思いつつ、養生シートで試作してみたりミシンを借りてきたりはしたものの、この夏は仕事でなーんにもできていない。ま、秋になったら少しとりかかってみようとは思っているのだが、実はザックをつくるということにも興味が出てきていたところだった。すると、Hariyama ProductionのMさんが、どこかでお会いして見せてくれるというではないか!
  • そんなわけで時間を割いていただいて、某所で話をしつつザックを見せてもらいました。ご本人の許可も得たので、画像も紹介。お会いしてみると実に若い。まだ20代、そして物腰柔らかい。イケメンかつ男前である。そしてザックは、彼のブログで紹介されている写真で見ていた通り、いや、自分的にはそれ以上の素晴らしさ!うわー、これ自分で作ったの?キミが?自分でミシンを使って...?いやなんだかちょっと感動してしまった。だって俺達の子供の頃は手作りなんてダサーイとか、金が無いから自分でやるみたいな方向のほうが多かったし、いやまぁそれはともかくとしても(笑)、彼のザックはいわゆる「手作り感」の悲哀はどこにも無くカッコイイ。実のところ、ザックの自作キットというものはその界隈では有名なものが存在していて、彼のザックの発想のもとになっている製品もあるのだけれど、細かいところに自分のアイデアが盛り込まれているし、なんというか全体のバランスも良いと感じるものだった。それにしても、イマドキの若者が、ミシンを使ってこれを手作り...しかもカッコイイ。本人も作品も。うーむ。天は二物を与えまくっているのではないのか!!!

    (c)Hariyama Production。BP002。色もカッチョイイ!!!

    背面。ULを知る人は知っている仕様。

    左側は1作目のBP001。これも黒がカッチョイイ。右側は、ポーチや財布。使う人にはわかる憎い作り。

    Hariyama ProductionのM氏とBP002。これを見て自作と思うか?

    ナイスガイ。素晴らしい。

  • さて人の作品を写真撮って自分とこに載せて、なに便乗日記にしてるんだよと自分でも思うのだが、なんというか山に興味があるわけでもない、私の周辺の方にもちょっと知ってもらいたいと思って書いてみた。なんつっても一番思うのは、このザック、大手メーカーの製品がどうしたとか市販するとかのレベルで見ればいろいろな視点もあるだろうけれど、こういう人がいて、こういうことをやっていることが素晴らしいと思う。なんつうかワクワクさせられた。これ最高じゃん!と思ったのだ。
  • 先日ハンドハンマリングさせていただき、それ以来演奏のたびに使っている小出シンバルの件も然り、自作ということ、自分で作りたいものを知り、それを作って実際に使うということ。これは演奏にも似ているし、いわゆるDIYでもあれば、料理にも共通している。興味を持ち、やってみるということ。この生きるチカラ。面白い!実に面白い!よーし俺も、今の制作終わったらミシンやるぞ!ザックも挑戦してやる!しかし俺は絶対こういうカッコいいものにならないのだ。「なんすかコレ?自分で作ったんスカ?うぷっダサッ!!!」とか言われるのがオチではあるな...。