makito's voice

2012年08月02日
シンバル・チューニングというカテゴリ

  • 豊橋方面や大阪方面に御世話になりながら、最近の自分のシンバルに対する考えとか方向性がもう全然違うところに向かっていて、すごく面白い。
  • マキトシンバルと勝手に命名した、初めてハンマリングさせていただいた18インチ1587gは、アタックと響き、倍音の組み合わせはすごく気に入っていていつも使っているし、今年の6月に製作させていただいた14+14.5インチのハイハットも味があり、日を追って音も変化するので叩く度にいろいろな魅力を感じる。
  • ちなみに、浅草コマキ・ドラムシティにお願いしてDWに発注したマキトスネアというものもあり、それについてもとても気に入っています。スネアについて、そして6月の豊橋〜大阪〜シンバル製作についてもここに書かないと...時間が無いとか言っていたらアカンなぁ。
  • ここでひとつ言えるのは、自分が作ったものを良くないと言いたくないという心情がどこかに発生していて、良いと思い込もうとしていないかということである。まぁそこまで自分を信用してないし、いままで百枚単位でシンバルを叩いてきて納得できなかったのに、そんなに簡単に自分を騙せたら苦労しないとも言える(笑)
  • こういう言い方は語弊があるとも思うけれど、流行りの飲食店で食べても満足せず、家に帰って米を研ぎ水を測り飯を炊いて、鰹節や梅干しで頂いたらもう最高という感じなのだ。しかもマキトシンバルは、こなれた塩辛の「イカの身の端っこ」のちょっとコリッとしたところみたいなやつで、一般じゃないんだろうけど、やっぱうめぇんだよなぁ!という感じ。ドラムセットの音を白い飯としたら、シンバルが塩辛なのかもしれませぬ。
  • 実際、今でも新製品が出ればすべてとは言えないが、あちこちの楽器屋や雑誌の試奏などで楽器はチェックさせていただいている。しかしやはり家に戻ってきてみるとそこには白飯と塩辛が待っているのだ。フフフ。
  • さて、こうした自作ハンマリングのシンバルとドラムセットでいろいろ試しながら、そのつどデジカメで撮っては家に帰って確認してきました。動画にすると発見があっていいすね(今更)。ただ、そのデジカメだと音が割れちゃうのが難点でした。そこに渡りに船、某豊橋で数多くの動画を撮ってきたQ3HDを安く譲ってもらった。音についてもマイクを立てたり試したが、機材の運搬や準備など考えて、まぁQ3単体のフットワークの軽さに落ち着いてみたり。で、思いついたのが「シンバル・チューニング」というカテゴリ。
  • スネアやタムのチューニングやミュートのように、シンバルもテープを張ったりシズルをつけたりシンバルを重ねたりということは多くのドラマーがやってきたことです。おそらく自分が知らない工夫も多くのドラマーが山ほど試してきていることでしょう。シンバルは、買ってきたものをそのまま使うしか無いし、サイズを買えたり厚さを削ってウェイトを落としたり、焼いてもう一度ハンマリングしなおすなんてことは一般的には難しいものです。いわゆるスネアやタムにおけるチューニングの部分は無く、ミュートしたり、セッティングの角度や向きなどで変化をつけるところでした。
  • しかし、大阪の小出シンバルに伺ううちに、いろいろ小細工の範囲でならばドラマーも、自分のプレイスタイルや現場の音環境に合わせて多少の微調整ならばできるのではないかと思うようになってきた。そして、最近ではメジャーメーカーからも多様なエフェクトシンバルや遊び心のあるシンバルも多くなってきていて、伝統的&楽音的なフルボディサウンドとは別のところで、ドラマーに寄るパーカッシブかつ多彩な表現のパーツとなる「金物サウンド」への欲求が高いのも事実だと思う。
  • 自分の家でハンマリングの環境を持ったり、グラインダーや旋盤、自作ピザ窯のような焼き窯を持つことの手前に、いろいろできることがある。シンバルそのものに手を加えずに行う方法、少し手を加える方法、その違いはあるけれど、これらを「シンバル・チューニング」としてとらえてみようと思う。ライブハウスなんかで「もうちょっとこうしたい」なんて気持ちを少しでも解消できたら良いなと思うし、そうこうしているうちに「実はスティックやグリップ、ストロークで全部自分でコントロールできるんじゃん」というところに行けばそれもまた良し。ということで、具体的には次のエントリで。