makito's voice

2013年07月16日
小出シンバル・ハンマリング製作&シンバル・セミナー at福島アイヴィー楽器

  • 新幹線も停まる福島駅!そこから歩いて10分程、アイヴィー楽器で行われた小出シンバルのハンマリング製作とシンバル・セミナーに参加してきました!アイヴィー楽器のスタッフや参加者の皆さんが温かみにあふれていたのは、福島県民の人柄なのかしら。なんだかちゃんと仕事できなかったんじゃないかという程にリラックスして過ぎていった2日間でした。
  • 今回は特に、小出社長が注力されている国内調達素材によるプロトタイプの方向性に惹きつけられました。「山村さんが好きそうな薄いやつも持ってきたんですよ」心が震えないわけがありません。実際、素晴らしいポテンシャルと、ニュアンス系シンバルの製造工程もすでに綿密に社長の中には構築されていることに畏怖も感じました。では、順を追って。ま、ちょっと関係ない情報もありますが、福島の魅力も合わせてお楽しみくださいw
  • <7/14:イベント1日目>

     昼に福島到着。連日うだるような暑さが続いていた中で、福島駅を降りるとカラッとして気持ちいい。おお〜!と感嘆しながら、実はちょっと気になっていた駅近くのつけ麺屋にw 「くをん」というお店。いやどうですこの店構え!ウマそうですよこれは!店内カウンターで他のお客さんが食べている真っ赤なスープのつけ麺に気を取られながらも、まずは普通のつけ麺+味玉子。いやー!さぬきうどんみたいな麺の太さですよ。食べてみるとうどんのような腰ではなく、クニュっと柔らかくそしてちょっと粘る感じ。量が多かったかと思いつつペロリ。そして、このスープがなんとも濃厚で辛いのです。これがデフォルトか!ガッツあんなぁ!今度は辛つけ麺食べよう!あっ!時間が...!楽器店行かないと!てな感じでかなりハイスピードで食べたあと、Googleストリートビューで調べておいた道順を歩く。

    駅から歩いて3分!


    ガッツのあるスープ!色気のある麺!

  • 歩くのは楽しい。通りやお店の感じ、そして道の向こうに見える山並み。いいですねぇ。とか考えているうちに、気がつけば楽器店の前を通り過ぎていた私。大きな通りに面していて駅からも近いですね。お店に入ってスタッフの皆さんとご挨拶。そして今回のイベントを実現していただいたコマキ通商のSさん、小出社長とご挨拶。どこかのオッサンがつけ麺なんて食っていたものだから、ほどなくハンマリング開始!

    これがアイヴィー楽器か!

  • アイヴィ楽器さんは、店内にヴォーカルとチェロのレッスンを行なっているスタジオがあって、そこにハンマリングの土台が3セット用意されていました。シライミュージックの白井としみつ君からは、事前から「アイヴィー楽器さんはうちと同じようにお店とスタジオとライブハウスがあって...」と聴いておりました。ま、あの南栄の目の眩むような商品陳列は東京でもなかなか無いけどな...(一応ほめてますw)。実際、なんだか私も始めてきた場所とは思えない居心地でした。

    ハンマリング説明開始!


    東京からの参加者もいらっしゃいました!みんなすごい集中!

  • 今回のハンマリングは10インチのスプラッシュ。300g、310g、320gの3種類の素材が用意されました。たかが10gということなかれ、このサイズで10gはかなり変わってきます。もちろんハンマリングの後にレイジングもするので最終的なウェイトはまた変わってきますが、演奏の傾向、欲しい音の感じ、スティックだけでなくパーカッション的にハンドでの演奏もあるのかなどを聞いて素材を選んでからハンマリングスタート。いつもそうですが、みんな最初はどう叩いて良いのか怪訝そうに始めますが、次第に職人モードに(笑)今回の参加者の方々は、上手な人が多かったように思います。それにしても不思議なのは、それほどわからずに叩いているはずなのに、それぞれの人の望むサウンドの傾向が出てくるんですよね。

    奥から、かつて西新井リズケンでお会いしたMさんが参加者に!そして中学生ながらバンド活動もされている彩花ちゃん、一番手前は今回のイベント担当のドラマー齋藤さん。BPM250でツーバス踏む強者!

  • 3人✕6枠のハンマリング参加者の枠には、アイヴィ楽器社長の片桐さん、イベント担当の齋藤さんも入っていて、ふたりは特に、ドラマーとしての耳で判断しながらハンマリングして「ここでやめておくべきか...もう少し進むか...」なんて言っていました。その辺りが面白いところでもありますねー。一枠に1時間を用意してあったのでみなさん試行錯誤の時間もあって、かなり良いサウンドになっていました。ちなみに、休憩時間にはプロトタイプを見せていただいたりして、私はそちらも興奮しておりました。そうして20時頃に終了し、その夜はシンバルや音楽、楽器について飲みながらあれこれ歓談。福島名物のいか人参を食べたかったのですが、アレは正月に食べますよということでお預けw

    出来上がってご満悦!左はアイヴィー楽器社長のドラマー片桐さん!右はアイヴィドラム教室の生徒さんで池澤さん。パワーヒッターな匂いがプンプン!


    プロトタイプ。いやぁ良い響きです!

  • <7/15:イベント2日目>

     朝起きると良い天気でした!移動時に雨がパラつきましたが、昼にはかなりの日差しに。さて今日はセミナーなわけですが、前日に会場を少し見せてもらったときに、ステージ上よりもフロアにセッティングしたほうが良いだろうと話しになり、前日の晩からスタッフの皆さんがドラムセットの移動やシンバルの陳列を準備していただいたようでした。セミナー進行上の利便性を考えて多少の変更やチェックを重ねて、準備完了。プロジェクタは使わずに、ホワイトボードに手書きなどw 開場まで少し時間があったので、ここでプロトタイプをセットと共に試奏。B23にチタンを混ぜた素材を使ったもので、この合金を作れるのは世界でも1社とのことです。すでにオーケストラ用の合わせシンバルやサスペンドシンバルとして発売されている小出の「Sensitive」シリーズは評価が上がっているようです。実際、この素材はストレートな響きがとても美しく、レンジに余裕があると感じます。シンバルにスティックを置いた瞬間の手に返ってくる反応が愉悦ですらあります。ドラムセット用に誂えたプロトタイプ達は、シェイプやハンマリングの違いで4種類ありましたが、この素材独特のシズル感が気持ち良く、これがハイハットには抜群の効果を与えていました。また、薄いモデルも見せて頂きましたが、これがなんとも凄い可能性を感じます。サイズとウェイトとレンジの関係が新しく、今までの材では出せないマトリクスを埋めるものになるのではと感じます。という感じで、実はセミナー前のセッティング&試奏でひと盛り上がりあり、アイヴィー片桐さんは、なんとセミナー終了後にこのハイハットを買いフラグ(笑)正直な人だなぁ!w(ちょっと悔しい←)

    朝の福島駅!


    セミナーはアイヴィー楽器のライブハウスで行われました。ジョジョ・メイヤーも演奏したとか!


    前日の晩から用意されたシンバル達


    ステージではなくフロアにセッティングしてあれこれ検討


    鉄板のセミナー用品達


    手書きですいやせん!


    ウェイトの違いを聴かせようとセッティングするも、そういえばセミナー中は違う方向に...w

  • さて、いよいよセミナー開始ですよ。まずは小出社長の話しが1時間くらい、という予定でしたが、話しが順調にススム君な感じでいつしか私の出番に。あーもうなに喋ったか全然覚えておらず、いやもちろん進行の書類も作っていたし、ホワイトボードに伝えるべきことも書いてましたが。あれこれいらん事言うた気がするし、言うべきことを端折ってしまった気もする...。アレ、ビデオ録られてたんだよな...((((;゚Д゚))))ガクブル...。いつもながら、一番伝えるべきことは、小出シンバルが今ここに、日本にあることの意味を伝えたいというのが自分の一番の想いではあります。そこに加えてレクチャー的な面を平易にしようと思ったこと、テクニックよりも音そのものについて言おうとしたこと。そしてもうひとつ、自分が実験したり記事にしたりしていることと、小出社長の考える良い製品というものについての違いを見せたいということもありました。このあたりは、シライミュージックでの反省も含めて注意点を持っていたものの、文章にするのと喋ることの違いをコントロールしきれてないなぁ自分。休憩を挟んで、後半は音を聴いてもらいながらのシンバルについての説明や、演奏のヒント、シンバルの楽しみ方、私が使っているある種究極の「趣味作品的シンバル」と真っ当な楽器の違い、そして演奏者が出せる音の幅と、楽器による違いなどなど。そして小出社長再登場でのQ&Aタイム。とにかく、シンバルについてもっと解明したいし、自分のシンバルを褒められると本当に嬉しいと小出社長は力説。ドラマーの感覚的、ともすれば狭量な経験則的な要望を受けながら、それを科学的な視点も含めた線引を持ってドラマーそれぞれが長く使い演奏できるシンバルに結晶させていこうという想いには敬服するばかりです。参加者の方も疲れたと思いますが、終わりはあっけなかったかなと思いつつ、合計3時間の枠はほぼ終了。残った方々が順々にシンバルを試奏していました。いつもながらに反省もあるけれど、参加させていただき光栄なイベントでした!

    アイヴィ楽器代表片桐さんの挨拶!


    小出社長の話は実にスムースでした


    やりとりも含めてセミナーが進行していきました


    これがB23プロタイプの薄型!ゴクリ!


    O-Zoneのような穴開きもありました。小出社長はどうしても割れやすくなるからというところを気にされていました。


    セミナー終了後はみんなで試奏。

  • <これまでの流れ。そして思うこと>

     思えばシンバルに狂っていた頃に、浅草JPCで西尾くんに見せてもらったのが始まりでした。国内でシンバルを作る人が出てきたなんて!という驚きから、こうして、福島でイベントが行われ、セミナーにも参加させていただいているのが不思議でもあり、面白くもありました。以下に、ここまでの流れで主なトピックを列記してみます。いくつかは日記へのリンクもあります。

  • 2010年03月14日
    豊橋シライミュージック 小出シンバルカスタムオーダーイベント
    この時私は頼まれてもいないのにカメラマン風を装ってイベントにお邪魔し、小出社長とお会い出来ました。イベントで紹介されたシンバル達が実に色気があって、こんなシンバルも作れるのか!と思ったのを覚えています。

    2010年06月28日
    フリーハンマリング体験 at 小出シンバル工場
    小出社長のご厚意により、白井としみつ君と一緒に工場に伺ってライド・シンバルを2枚ハンマリングしました。その時のライドはずっと使っていて、今回福島にも持って行って皆さんに音を聞いて頂きました。

    2010年07月25日
    浅草コマキ楽器「小出シンバルバーチャル工場見学」イベント
    小出シンバル誕生当時から社長の相談相手であったコマキ楽器西尾君によるイベント。参加者の中から1〜2人ハンマーを振ってもらう程度の予定だったのが、参加者全員が希望されて、1枚のシンバルをハンマリングしていきました。

    2012年03月17&18日
    豊橋シライミュージック シンバル製作セミナー&小出シンバルセミナー
    次に白井としみつ君が企画したのが「ハンマリングして1枚完成させる」というものでした。これはかなり綿密に計画されつつそして大胆な企画でした。男性も女性も18インチの原盤に向かって2時間ひたすらハンドハンマリングし、翌日のセミナーには、私も参加させて頂きました。

    2012年6月
    小出工場にてハイハット製作
    再度のご厚意により、白井としみつ君の引率という形で、シンバル好きドラマー数名+ハワイ在住ドラマーも加わってのシンバル製作。このときは私はハイハットを製作。シェイプに関してかなり希望に近いものが出来ました。

    2012年08月02日
    当日記記事:シンバル・チューニングその1&その2
    小出さんの販促品であるミニベルを使ったアイデアなどが出てきたこと、そして自宅でハンマリングのまね事を少しやっていくうちに「シンバル・チューニング」という言葉で書いてみました。先輩ドラマー達から教えていただいたことばかりではありますが。

    2012年9月
    ドラムマガジン・フェスティバル/ハンマリングイベント〜スプラッシュ〜
    ドラムマガジンフェスティバルで行われたハンマリングイベント。比較的短時間でできるスプラッシュを、ドラムの轟音鳴り響く会場で参加者がハンマーを奮っておりました。

    2013年03月
    ドラムマガジン2013.04号「シンバル・チューニング特集」
    上記日記記事にまとめた内容を、スタジオで実践しながら特集記事にしたものが紹介されました。いろいろな人からいろんな意見を頂きました。これからもいろいろなアイデアが出てくることでしょう。

    2013年7月
    福島アイヴィー楽器「小出シンバル・ハンマリング製作&セミナー」!!!

  • こうして今回のイベントにつながってくるということなのです。いやぁすごいですね。私などはシンバルの好き嫌いを勝手に言うばかりですが、小出さんはもうずっと研究を重ねておられ、イベントのたびに製品が確固たる方向に向かっていることを痛感させられます。そして、コマキドラムシティ西尾君の小出シンバル進展へのフォローから、業界初とも言えるイベントを、立地など物ともせず強力な集客力で実施してきたシライミュージックの敏腕っぷりまで、この流れをリアルタイムで見ていることに喜びを感じます。そして、これからもこのおふたりには身を削って頑張ってもらいましょうwww
  • それにしても、重鎮ことコマキ西尾君も、白井としみつ君も、まぁなんというか考えというものが突き抜けていたり超絶に知識や探究心がありマニアックであり変態であったり、そして第一線のドラマー達の要求も知っていて、仕事っぷりやスピード感が凄いのです。そうした彼らの動きにインフルーエンスされて、福島でイベントを興そう、自分達の場所でも音楽やドラムを盛り上げようという流れが生まれたことは凄いなぁと思います。これ、実は安易なことじゃないと思うんです。受け手はイベントがあるのは嬉しいですけれど、販売店同業同士の難しさもあるでしょう。でも、今回もなんとか実現させた人が登場した。大丈夫なのかな、という想いを持ちつつも形にしようする力が働いて、そして実際には参加者の方からもそれを支える力が出てくることもあり、そういうエネルギーのたまっているジャンルなのかもしれません。これ、東京でもやりたいものですね。私などよりもっともっとシンバルに対して深い想いを持っているドラマーはたくさんいることでしょう。でも、東京に似合うのかな、東京だと参加者はパワーを自己抑制したりするんじゃないかしらと思ってみたりもします。
  • 自分も拙い経験ではあるけれど、以前ドラム合宿などのイベント運営でいろいろ感じたことがありました。イベントってのは、本当にリスクの大きなものではあります。でも、やらないと始まらない。ビッグネームであろうと名無しであろうと、イベントを行うリスクに違いは無いというところもある。そしてこういうイベントは、今までのエンターテイメントとはまた違う。そこなんですよね。そういえば、福島の夜にふと思ったのですが、ドイツ人にも負けないこだわりや技術を持つ性質が日本人にあるとすれば、ドラムセットという限りなく自由な楽器を、いや音楽全体を、もっと分解し、より精査し、組み立て直し変えていく力が、日本にはあっても不思議では無いと思うのです。そこに向かう世代や潮流がドラム界にも登場、と言ったらちょっと大袈裟でしょうかね。そしてちょっと希望的観測すぎるでしょうか。
  • 自分はといえば、もっとシンバルや楽器や演奏そのものについて伝えることに集中して、そしてそこに最大限に適応する楽器といえば...これですよ!というスタンスで説得力を持たないとアカンなぁと思う次第であります。ということで、今回も素晴らしい経験でした。小出社長、コマキ通商のSさん、アイヴィー楽器の皆様、ありがとうございました!日本のドラム界がさらに質量ともに盛り上がっていきますように!

    アイヴィー楽器のスタッフのみなさんと


    ビバ福島!