makito's voice

2016年01月02日
雑煮

  • 今朝も息子が餅を焼く。
    餅は貧乏人に、肉は金持ちに焼かせろと聞いたことがある。
     
    うちの息子はもれなく貧乏人の筈だが、まるで金持ちの焼き肉のように網の上でほおっておくので、もっとひっくり返せと親父にアレコレ言われながら焼いている。そうして雑煮になったとき、焼き方で変わる味について息子は自分で反芻しながら、毎年少しずつ焼き方に変化が見られるようでもあり、何も変わっていないようでもあり。ところで餅がカビてしまわないように冷蔵庫に入れるのは良いことなのだと思うのだが、紙に包んで外に置いてヒビが入って固くなった頃に焼いて出汁にいれると、硬いところと柔らかいところが混ざって、それがまた旨い。まるで琴平にあった宮武のうどんのようでもある。それがまた旨い。ヒビの入った餅を見て、あぁ硬くなっちまったなぁと途方に暮れる感じも、それはそれで慈しみがある。
     
    雑煮は、出汁と餅に、柚子と三つ葉。見えないけれど、鰹節は良いものを。あれこれとおせちを食べて緩んだ口の中に、カズノコの歯応えと雑煮の熱い出汁が心地良い。
     
    お正月。ありがたいなぁ。