2011.08.9〜12 雲ノ平<その1> 新穂高温泉〜双六小屋

☆今回の山行日記は横幅1980pxの画像をそのまま使用しているため、激重です。スマートフォンなどでは転送量多すぎで不便かと思いますので、パソコンでの閲覧をおすすめします。ご不便おかけします。なお、画像はすべてクリックすると別ウインドウで大きなものが開きます。


<雲ノ平>

 念願の雲ノ平に行くことができた。山は清々しく、雲ノ平は悠然とし、薬師沢の美しさにも感激し、生まれて始めてのテンカラ釣果も。行きのバスでは知り合いの方と一緒になり山の上で乾杯したり実に楽しかった。ところがだ、3日間で33km、寝ても覚めても頭痛と首の痛みから解放されず、痛みを紛らわすために歩き、景色も場所もゆったり楽しむことができず、反省点ばかりが残っている。

雄大な雲ノ平。念願の場所でしたが体調不良がネックに...


 3年前だったか、私の山の先生のメールの中に「雲ノ平」という名称があった。なんか妙な名前だな、先生が行っていない→急峻な岩場を乗り越えるような険しいところかと思ったが、距離はあるけれどそんな危険なところではないですよと言う。調べてみるとなるほど距離が長い。一泊二日とかそういうレベルではなさそうだ。東京〜登山口〜雲ノ平の核心までと長いし、せっかくそこまで行ったら温泉もあるらしいなど考えると、どうみても4〜5泊コース。ガイドブックに載っている写真はどれも素晴らしく、なるほど行くのは大変だけれど、心地の良い場所なのだろう、そして雲ノ平という名前にも合点がいった。

 その後、行ってみたくなった。人間というのは、なんつうか物事が最初からスーッと自分に入ってくるときと、ちょっといったん身構えたり拒否するような初動でありながら、時間が経つと気になってきたりなどいろいろである。それだけの日数の確保、天候、体調などうまく揃うことは到底難しいことだと感じながらも、気が付けば行ってみたくなっていた。自分の技量として残雪期は厳しい。夏だ。しかし昨年も仕事をしていたらあっという間に夏は過ぎて行ってしまった。そして今年。夏はとても暇なのだ。ここ数年、とにかく出版作業に取り掛かりきりだったが、この夏は特に無く、そして細々としたものは断ったくらいだった。秋以降どうやって食っていくのかというのもあるのだが、3.11震災以降いろんなことを考えてしまうし、こういうときはじっくり動くべきとも思う。妙な開き直り。

 そんなことはどうでも良いが、7月の終わり頃からなにやらタイミングを狙っていた。ところがどうにも天候が悪い。台風の影響もあった。各地で大雨洪水、道路や交通機関にも影響が出ていた。で、ちょうど子供と海に行く計画も近づいてきた。この予定は動かしがたいので、台風や温帯低気圧やらの具合を横目で見ながら南伊豆に行った。トガイ浜、ヒリゾ浜というところで泳いだが、ヒリゾ浜では波が高く、ここで泳いでいるときに、ちょっと首に負担をかけてしまった。子供と一緒に魚を見ていたときに波に何度か飲まれ、岸に上がると頭痛と吐き気がして多少ゲロったり。ま、1時間もしたら治ったので調子にのってまたひとりで泳いだが、やはり波が強く、そこでまた首が痛くなった。

 帰ってきた翌日、接骨医で診てもらったりはしたが鈍痛が続く。で、ここで自分でマッサージとかストレッチをやったのがよくなかったらしい。まぁ首はそのうち治るだろうとバスを予約し新穂高温泉へ向かったが、結局のところ折立で下山し富山で朝まで過ごし自宅に帰宅するまで痛みは乱高下しながら無くなることはなかった。ということで、予定より1〜2泊少ない行程となった。その他、無計画に増えた食材などによる荷物の重さも反省点。


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<8/9 新穂高温泉〜双六小屋>

 さて、まずは夜行バスで新穂高温泉へ。AM5:10頃到着。さすがに半袖短パンという東京ルックでは寒い。バスの中で一緒になったSさんと挨拶&写真を撮った後、自分はトイレで着替えたりムンコしたり案内所の地図などを見たり、嫁さんが作ってくれた玄米のおにぎりをモグモグしながら5:40に歩き始める。天気は良好。しばらくは林道をただ歩く。わさび平小屋でトマトを食べ、しばらくすると山道へ。小池新道を秩父沢、イタドリヶ原、シシウドガ原と進む。日が登り暑くなってきて、とにかく汗が出る。そしてすぐにバテ始める。3.11震災後、ほとんど山にも行かず、毎日ネットで震災&原発情報ばかり見ていたわけで、すっかり運動不足である。ペースを落として進むが、なにやら息が切れる。デジカメの画像によれば鏡平山荘に10:50、ちょうどここでSさんとも合流。昼には早いし、すでに食欲が落ちていたのでコーラを飲む。あぁ山で飲むコーラってなんでこんなにうまいんだろう。

新穂高温泉に到着。結構寒い。


林道を歩く。水場は割と豊富。


わさび平小屋。良い雰囲気。


フルーツや野菜が流水の中に浮かんでいて食べずにはいられないですなぁ。


林道が終わり、徐々に山を上がって行きます


後ろを振り返ると気持ちの良い青空


秩父沢。水もあるし、実際このあたりでブラブラしてるだけでも気持ちいい。


みな思い思いに水を楽しむ。結構暑くなってきた。


キツイ坂ではないが、グングン暑くなってきた。


ゴアの帽子と自作ポール。なるべくラクチンに長く歩きたいが...。


鏡平到着。山の上の湖というか池というか。

 鏡平で休憩した後、のんびり先に進む。どうもガスっていて景色がよろしくない。雨の心配はなさそうだったが、本来ならば歩きながら右手側に雄大な山々が見える筈が、なーんも見えん。ヒーハー言いながら弓折中盤あたりで休憩だったか。それにしても登りながらとても眠かった。バスであまり眠れなかったのもあるか。ゆるやかな尾根歩き的な部分はあっという間に通り過ぎ、ちょっと登りや下りが出てくるたびにヒーハーゼーハー。そうこうするうちに、ようやく前方、山の谷間に双六小屋が見えてきた。ま、見えてからもまたなんだかんだ歩くわけだが、この日はとにかく汗が出た。お気に入りのパタゴニアのメリノ1は、なんだか洗濯によってちょっと機能が落ちてきたのではないか、いやむしろ汗の量が多すぎるか...。

鏡平山荘を出る頃には今度は一気に曇り。


槍、穂高あたりがバッチリ見える、筈なのだがガスガス...


このあと弓折乗越まで行けばあとはなだらかな...筈...?


なにやらなんも見えなくなってきたが、涼しいのは嬉しい


高山植物はたくましく、花は美しい


花見平も晴れていればもっと景色がよかろうに。


歩きやすいところはノンビリと。


ヒイハア言いながら、谷間に双六小屋発見。


少し晴れてきました

 双六小屋に着いてシェルターを張り、Sさんと乾杯。ビールもうまいが、氷結がうまかった。あれはチューハイのようだが、ウオッカが入ってるようで、レモンつうのがまたよかった。テン場に戻ってすぐ寝てしまった。この時は日差しもあって暑いくらいだったが、ふと目が覚めるとちょっと身体が冷えていた。17時くらいだたか。今回はガスを使いクッカーも自分としては大きいものを持ってきた。スパイスと調味料を持ってきたので、簡単に調理して晩飯。その後ウイスキーをちびりと飲んで寝る。途中何度か起きたが、空の星がとても綺麗だった。シェルターから上半身を出してしばし見上げながら寝る。これは気分がいい。

双六小屋到着。綺麗な建物、水場もトイレもしっかりしてます。


氷結がうまい。これウォッカベースなんですね。


トーチャン自作シェルター。今回は風に悩まされることも無く。


スパイスを石で潰して調理。体調に合わせて加減できるのがいい。

その2へ続く

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( 2011/08/19 )